魔法使いからメッセージ
「‥‥‥そうか。ならよかった」
と、瞬時兄さんは優しく微笑んだ。
やっぱりこの人は、深刻な顔より笑った顔の方がよく似合ってる。
ってあれ?
瞬時兄さんに気をとられてるうちに、だいぶ裏道に来てたんだなー。ってか無駄にくっつきすぎ!やべー緊張する!
人が二人やっと通れる程しかない道幅の路地を、妙にくっつきながら歩いている。
赤茶色や色んないろをしたレンガの、年期が入っていそうな壁に、カラフルなタイルの道。
迷路のような入り組んだろじ。
「なんか物語の中にいるみたいですね。‥‥‥不思議な世界に迷いこみそう‥‥‥」
ほんと不思議なカンジ。
「って、もう不思議な世界に来てますね。あっははは!」
「‥‥‥以外とロマンチックなんだな」
「゙以外どってなんすか!人は見た目で判断しちゃダメなんすよ!」
夢見がちな自分の姿を見られて、恥ずかしくなって、つい口走ってしまった。
「‥‥‥そうだな。人は意外性がないとつまらないよな。すまん、悪かった」
「いやわかってないでしょ!゙意外性゙とかもー話わかってないでしょ!」
「ん?わかってるぞ。俺も意外性を身に付けなきゃな」
あ~。分かってないよこの人。人の話聞いてんのかよ。
「ん~どんな意外性にするかな~。ん~ん~」
なんだよこの人。カッケー面して以外とお茶目?
あ。瞬時兄さんの意外性見つけちった。