魔法使いからメッセージ
「ここだ」
狭い十字路を右に曲がり、更に狭い道に差し掛かったとき、瞬時兄さんは立ち止まった。そして、道の突き当たりにたたずむ建物を見上げながら、言った。
「‥‥‥素敵な店‥‥‥だけどぼろっ!」
目の前に現れたのは、19世紀のヨーロッパ風の、ちょいとボロい建物。
仕切りなくくっつき合って建ち並ぶ家々の間に、ひっそりと佇む、小さな三角屋根の建物は、なんだか周りとは雰囲気が違って感じた。
ここら辺の建物はみんなヨーロッパ風だけど、このお建物は一番素敵かも。
「いや、ぼろいんじゃなくて、年期が入ってるんですね」
ついツッコミを入れてしまって、訂正を入れた。
「だろ?俺の行き着けの店だ」
こんな素敵なお店‥‥‥アタシも常連になりたいな。
「でも、よくこんな狭い道でこのお店を見つけられましたね」
「ここら辺を散策してる時に、偶然見つけたんだ。‥‥‥行くぞ」