魔法使いからメッセージ
「何だよ朝っぱらからぁ。‥‥ん?‥‥誰だ、その子?」
寝起きの髪をかき上げる、爽やかな顔立ちの青年。あぁ、見るからに眠そうだなぁ。
「まあな、この前話した子だ」
瞬時兄さんは、すまんっと言ってから、店内に入って行った。アタシもその後ろを付いていく。
「お前がこの店に来るなんて、何年ぶりだ?」
青年は笑いながら、ドアを閉める。ここも随分古びたお店だな。
「バカ言え、昨日も来ただろ」
瞬時兄さんは楽しそうに話した。やっぱ誰でも、友達とのおしゃべりは楽しいよね。
あたしはそんな二人を余所に、しっくりくる杖を選んでいた。
「あーー!!!」
「!?どーした緩名!?」
「瞬時兄さん!!この杖がいい!!」
あたしは、すごいテンションで叫んでしまった。
「あっはっは!!お前、瞬時兄さんって呼ばれてんのか!!」
「うるせー佐介!!いーだろ何でも!!」
「(うぉー!!瞬時兄さんが怒った!!)」
佐介さんが大笑いしたのに対して、瞬時兄さんは怒った。‥でも笑ってる!?