幕末〓冷血の鬼 【番外編】
「止めてやれ。」


俺がそう言って男の腕を掴むと男は俺の方を向いた。


「何だ?お前は。」


「その女を離してやれ。嫌がっている。」


俺がそう言うと男は俺の手を振り払った。

「お前、見た感じ武士じゃねえな。武士の俺に楯突こうとは生意気な。」


男はそう言って剣を鞘から抜いた。


「止めておけ。怪我をするぞ。」


「怪我をするのはお前だ!」


男が剣を振り下ろした途端,俺は鞘から剣を抜いた。


(遅い。)


男の腹をめがけ、俺は剣を横に振った。
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