幕末〓冷血の鬼 【番外編】
「自分の体は自分が一番よくわかってる。」


桂は俺がそう言うと黙り込んでしまった。


「桂………三味線を持って来てくれねえか?」


「三味線だと?」


「頼む…。」


桂は、俺の目をジッと見た後ゆっくりと立ち上がった。


「わかった……持ってくるよ。」


桂がそう言って部屋を出た後、俺は布団から体を起こし襖を開けて外を見た。


雪が溶け始め地面には、少しだが小さな花が咲き始めている。


これから春が来て桜が咲く。


(せめて、今年の桜を見てから死にたかったな……。)


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