俺様 海様 イケメン様
「早く行かなきゃ先生に怒られるよ!」
「あ?別にいい」
「全然良くない!最後に怒られるわけ?」
「なら萌亜も一緒に怒られる?」
もうダメだ。
言い争いじゃ絶対勝てないんだよね……。
「あ、時間!もっと速くこいで!」
「あ?飛ばされないように掴まっとけ」
海はそれだけを言うと、
本当に飛ばされそうなくらいのスピードで学校までこいだ。
学校に着いた時、
あたしはフラフラしちゃってまともに歩くことなんかできなかった。
海に支えられながらも、
下駄箱で上履きに履きかえる。
「じゃあ、あたしは先に教室行くね」
そう言って、
海の腕から抜け出したのも
つかのま、
海に腕を引っ張られて
元の状況に戻ってしまった。
「ちょ、海?」
「萌亜も一緒に行くんだよ」
あたしの返事を聞かず、
ズカズカと歩いて行く海。