俺様 海様 イケメン様
♀ 萌亜 side ♀
「もー海!止めてやめて!」
落ちそうなのをお構いなしに
海はあたしの乗ってるブランコを押す。
「お前、ばかか」
「きゃっ!」
海は押すのを止めたかと思うと、
強引にブランコを止めて
後ろからあたしを抱きしめた。
「う、海?」
「俺に言いたいことねーの?」
「………え?」
言いたい、こと?
「無理してるだろ?言えよ」
「い、言いたいことなんてっ…」
「ないとでも?別に、萌亜がなんと言おうと嫌いになんないけど?」
海は分かりきったかのように話す。
やっぱり、
海に隠し事は出来ないね?
海ってずるいよ……。
今日は笑って見送ろうって決めたのに、
泣かないって決めたのに…
「泣き虫」
そうだね、海。
あたしはいつから泣き虫になったんだろう……。
きっと、海に会ってからだよ……。