俺様 海様 イケメン様

「海はモテるでしょ?大阪行っても人気あるだろうし……浮気はしないって信じてるんだけどね?やっぱり不安なんだよ……」

「ん……」




海は特になにも言うことなく、

あたしを抱きしめる腕に力を入れた。




「遠恋になったら中々会えないし……やだよ…」




あたしは本当に泣き虫だ。

止まった涙は、

また溢れ出していた。




「萌亜、それは俺のほう」

「……え!?」


俺のほう!?

それって……



「萌亜が言ったこと、そっくりそのまま返すわ」

「え……?え!?」


訳が分からず、

後ろを振り向くと

切なそうな顔であたしを見ていた。




「俺だって不安。可愛いこと自覚ねーし、浮気だってしないって信じてっけどやっぱ不安になんだよ…」

「う、み……」



それは、

いつも強引で俺様な海が

始めて見せた

弱気な姿。