俺様 海様 イケメン様
駅に着くと、
あまり人影はなくて
次の電車までもうすぐ。
「海……」
「んな、泣きそう顔すんなって」
そんなこと言われたって
泣きたいものは泣きたいもん。
「別に死ぬ訳じゃないんだから。会おうと思えば会えるだろ?」
「でも、毎日会えないじゃん……」
あぁ、あたしってばなに言ってるんだろう。
海の困るようなこと言って……。
「なら毎日俺のイケメンな顔の写メ送ってやろうか?」
「……ばーか」
でもちょっと送って欲しいかも……?
いや、でもなぁ…。
「やっぱ、クリスマスの時は萌亜のこと壊すか」
「……はへ!?こ、壊す?」
なにを言い出すの、海ってば。
壊す?
どーやって?
「めちゃくちゃにしてやるから」
「………は?」
海はそう言うと、
立ち上がってゆっくり入ってきた電車を見る。
もうお別れだ……。
次に会えるのはクリスマス。
海の手をギュッと握る。
海はあたしのほうに振り向くと、
「最後くらい笑え」
そう言って、
あたしの頭を優しく撫でた。