僕は君のものⅡ
「なんで名前で呼ばないの?さっきも香織が寝る前も。」
「また」ってそうゆうことか。
「だって…今まで『桐谷くん』だったから…」
「俺は呼んでほしいんだけどなぁ。」
そう言うとシュンとする桐谷くん。
何も言えずにいると「もういい。」と言って私を掴んでいた手を離して立ち上がり、教室を出ようとした。
私は急に寂しくなり、思わず叫んだ。
「隼人!!待って」
すると振り向いた隼人は、見たこともないくらい優しい顔をして微笑んでいた。
そのキレイな笑顔に、思わずドキッとした。