僕は君のものⅡ

教室へ向かいながら、明日香と何気ない話をして角を曲がろうとした時---、



ドンッ!!!


誰かにぶつかってしまった。向こうは走ってきていたので、思い切りぶつかり、しりもちをついてしまった。


「いったぁ。」


「ちょっと香織、大丈夫?」


「うん。なんとか。」


かなり激しくぶつかったため、本当は痛かったが、明日香に心配させないように笑ってごまかした。


明日香が怒りながら、相手に言った。

「ちょっと、危ないじゃない!!!」


ぶつかった相手は男の子だった。


「すみません、大丈夫ですか?」


なんとか立ち上がったら、その男の子が私の前まで来た。顔を上げて相手をみたが、知らない顔だったので、たぶん一年生だろう。


というよりデカッ!!!


170近くある私がそう思うから、そうとう背が高い。そう思いながら見上げると、目が合った。というよりジーっと見つめられてる?


なにか変かな?


「あのっ・・・。」


「先輩、保健室行きましょう。」


私の声をさえぎると、私の腕をつかんで、「ということで、先生に次の授業休みと言っててください。」と明日香に伝え、私の返事も聞かないでズンズン歩いていった。



明日香に助けを求めようと振り返ったが、なぜか笑顔で手を振っている。


よし、あとで問い詰めよう。


そうつぶやいて、仕方なく、その一年生に連れられて行った。

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