僕は君のものⅡ

隼人に引っ張られてきたのは屋上だった。なにか話があるたびに屋上に行ってる気がする・・・。


いつもお弁当を食べる場所まで行くと、私の方を振り返った。


「さっきってどういうこと?」


「へっ?」


何のことだろう。本当にわからない。


「あいつが言ってたじゃん。『さっきはどうも』って。」


それを気にしてたのか。


「いや、あのね。さっき廊下でぶつかって、なんともなかったんだけど、弘樹クンが保健室に連れてってくれたの。それだけだよっ!!」


「なんで?」


「痛そうにしてたから・・・」


「そうじゃなくて、なんで『弘樹くん』だなんて仲良さそうに呼んでるの?」


「いや、なんか年下だし、別にいいかなって・・・」


「ダメ!!!」


「ダメなの・・・?」


「だって嫌だから。」


そういって少し拗ねたような隼人を見ると、なんだか可愛くてしょうがなかった。


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