僕は君のものⅡ
「うん、わかった。もう呼ばないよ。」
すると今度は照れたように小さな声で「ありがとう。」と言った。
「ていうか、なんにもされてない?」
「え?うん。ただ自己紹介されただけ。有名な人なんだね。」
「江藤のこと知らなかったのか?」
「うん、だって一年生でしょ?あんまり興味がないかも。」
そう言うと、ホッとしたような表情をしていきなり抱きしめられた。
「ちょっ、は、隼人?!」
「よかったぁ。」
もぞもぞ動いても離してくれない。
「あいつカッコいいから、香織が惚れちゃうんじゃないかと思って、焦ったよ。」
「絶対それはないよ。」
「そうかぁ?だってまだ俺も香織のこと落とし中なのに。」
なんだか恥ずかしくなった私は、別の話題に変えてみた。
「自分だって、有紗ちゃんだっけ?に誘われてたじゃん。」
なんだかちょっと嫌だったんだよね。
そういうと少し離れて私の顔をニヤニヤ見てきた。」
「な、なに?」
「香織、ソレってヤキモチ?」
一瞬で顔が赤くなるのを感じた。
「ち、違うもん!!」
「超、嬉しいんだけど。」
「もう!違うってば!!」
「はいはい。」
そういうと、座り込み、私を足の間に座らせて後ろから抱きしめられた。