僕は君のものⅡ
すれ違い
香織を腕の中で感じながら、俺の心は満たされていた。こんな日がずっと続けばいいのにな。
少し伸びてきた香織の髪で遊んでいると、目を覚ました。
「ん・・・・隼人?」
「おはよ。よく寝たな。」
「今、何時?」
「もうすぐお昼だよ。」
「え?!私どのくらい寝てたの?!」
「2時間ちょっとかな。」
「えー!!なんで起こしてくれなかったの?てか隼人まで授業サボらせちゃったね。ごめん。」
シュンとなった、香織を愛しく思いながら、頭を撫でた。
「大丈夫だよ。」
「うん。ごめんね。」
「いいってば。それよりご飯食べない?」
「うん。あ、じゃあ、お弁当取ってくるね。」
そういって、あわただしく、屋上を出て行った。
少ししたら、足音が聞こえてきたので香織かと思って声をかけて振り返った。
「香織?早かったね。」
「残念でした。俺、香織先輩じゃないですよ。」
その声の主は、江藤弘樹だった。