僕は君のものⅡ
「じゃあ、食べようか。」
そう言うと、香織はお弁当を広げた。
「今日もおいしそうだな。」
「本当?ありがと。」
香織は嬉しそうに微笑んだ。
「そういえば、さっき何話してたの?」
「んー特になんでもないよ。」
「そう?」
お茶を注いでくれた。
「香織。」
「んー?」
「あんまり仲良くしないで。」
「江藤くん?」
「うん、嫌なんだ。」
「大丈夫だよ。女子と男子は練習違うから。」
「だったら、いいけどさ。」
その後は、会話があまりないまま、食べ終えた。
「ごちそうさま。」
片付けたあと、香織が思い出したように言った。
「あ、そうだ。もうすぐバスケの試合があるんだ。私、明日から自主練とかして遅くなるから先に帰ってて?」
「終わるまで待っとくよ。」
「言うと思った。でも待ってると思うとなんか集中できないからさ。あ、迷惑とかじゃなくて、いつも待たせちゃってるから申し訳なくて・・・。」
「帰りが遅くなるからなおさら、待ってて送るよ。」
「大丈夫だって。明日香もいるから。最後の大会なんだ。どうしても勝ちたいの。ちゃんと帰り着いたら連絡するから。隼人も遅くなっちゃうし。ね、お願い。」
なんだか納得いかなかったが、香織は優しいから、待ってたら気をつかって練習切り上げてくるかもしれないしな。
「うん、わかったよ。」
「ごめんね、いつもありがとう。」
フワっと微笑む、この笑顔に弱い。
「その代わり、なにかあったらすぐ連絡しろよ。」
「うん分かった。」
そうこうしてるうちに時間になり、教室に戻った。