僕は君のものⅡ
香織~side~
教室に戻ると明日香が一番に駆け寄ってきた。
「ねぇねぇ、何話してたの?」
「ん~別にいつもみたいにお弁当食べてただけ。あ、江藤君がなんか隼人と話してたよ。でも何をしゃべってたかは教えてくれなかった。」
すると明日香は楽しそうな顔をしながら言った。
「なんだか、おもしろいことになりそうだなぁ。」
「なにがよ。」
「一人の姫をめぐって、二人のイケメン王子が争う!!って感じ?」
「なにそれ、もう意味わかんない。」
私は半分諦めながら、明日香の顔を見ていた。
「あ、そうそう。江藤君の妹、有紗ちゃんだっけ?ちょっと気をつけたほうがいいよ。」
急に真面目な顔をして話し出した。
「自分が欲しいものは、絶対手に入れるし、彼女を敵にまわすと、ファンの子が何するかわかんないんだって。」
「まじ?なんかめんどくさいね。」
「香織、私はいつでも味方だからね。とにかく素直になること。早く隼人君と付き合いなさい。」
「う~・・そんな簡単に言わないでよ。」
「いつまでも香織が煮え切らないと、本当に愛想つかされちゃうよ。あんたは溺愛されてるんだから。なにも迷うことないでしょう。」
「そうなんだけど・・でも・・。」
「まだ、佐野先輩のことひきずってるの?」
佐野先輩という言葉に反応してしまった。
「そっかぁ。まぁ、中途半端にしないのは香織らしいけどね。なにかあったら報告しなさいね。」
そういうと明日香は自分の席に着いた。