僕は君のものⅡ
いつもどおり練習をして、自主錬を始めようとしたら、明日香が走ってきて申し訳なさそうに言った。
「香織、ごめん。今日はやく帰らないといけないの。だから最後まで無理かも。」
「そうなんだ。仕方ないか。私なら大丈夫だよ。」
「あんまり遅くまで残ってたらダメだよ。危ないからね。」
「わかった。明日香も気をつけてね。」
そう言うと、明日香は帰っていった。
さっきまでいた隼人の姿が見えなかったし、もう帰ったのかと思い、自分の納得いくまで時間が許す限りシュート錬した。
明日香には早く帰れと言われたが、やっぱり遅くまで練習してしまった。
「疲れた~。」
着替えをすばやくすまし、部室を出ようとしたら、江藤くんにあった。
「香織先輩、お疲れ様です。」
「お疲れ様。江藤くんも今だったの?」
「香織先輩を待ってたんですよ。」
「なんで?なんか用事あったの?」
「一緒に帰ろうと思って。遅いので送ります。」
「いやっ!いいよ。全然大丈夫だから。」
「こんな時間にダメです。大丈夫ですよ。なんにもしませんし。本当に心配なだけですよ。」
そう言った江藤くんの少し寂しげな表情を見ると、強く断ることが出来なかった。
「わ、わかった。でも変える方向は・・・?」
「そんなの気にしないで下さい。行きますよ。」
多少強引な江藤くんに何も言えず、送られることになった。