僕は君のものⅡ
「隼人先輩、今日は香織先輩と一緒じゃないんですね。」
香織という名前にドキッとした。
「あぁ。」
「喧嘩したんですか?」
「そんなんじゃないよ。」
すると彼女は、控えめに言った。
「あの、聞きたくないかもしれないんですけど、昨日、香織先輩、弘樹と帰ってました。隼人先輩がいるのに信じられないですよね。」
俺は、何も言えなかった。
それを彼女は怒ってると勘違いしたのか、慌てて弁解し出した。
「あ、ごめんなさい。香織先輩のこと悪く言ってるわけじゃないんです。ただ、隼人先輩が香織先輩のことすごく想ってるの知ってるから、そんな軽い行動が許せなくて。だって弘樹は香織先輩のこと狙ってるんですよ。それを知ってて、一緒に帰るなんて。」
「ありがとう。でも俺は大丈夫だよ。香織のこと信じてるし。」
そうは言ったものの、やっぱり香織に対して、怒ってる気持ちが少しあった。
だからあんな行動をとってしまったんだ。