僕は君のものⅡ

そのあとは、彼女がずっと話してたことに対して、ただ相槌をうってるだけだった。


はっきり言ってつまらない。香織といる時はあんなに楽しいのに。


そんなことを考えてると、学校の門が見えてきた。


門の前には、香織が立っていた。どんなに遠くからでも香織がどこにいるかなんてすぐ分かる。


でも昨日の江藤との姿を思い出して、自分だけ気まずい思いが消えなかった。


俺に気付いた香織が話しかけようとしたのが分かっていたが、俺は気付かない振りをしたんだ。


俺が、江藤の妹と一緒にいるのをみて、悲しそうな顔をした香織の横を、意地をはって通り過ぎてしまった。





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