僕は君のものⅡ
香織~side~
「香織。いいの?今日、隼人君と一言もしゃべってないじゃん。」
ストレッチをしてた私に、明日香が話しかけてきた。
明日香には全部話してある。昨日、江藤君と帰ったことも、今日の朝、有紗と登校してきたことも。
「だって、どうしたらいいかわかんないんだもん。」
すると明日香はわざとらしくため息をついて言った。
「隼人君には口止めされたから言わなかったんだけど、昨日私が早く帰ったのは、隼人君に頼まれたからなんだよ。」
「え?どういうこと?」
「最近、香織といる時間が減ったから、一緒に帰りたいって言って、私にお願いしてきたんだから。それなのに江藤君と帰ってた香織を見たら、そりゃショックだし、怒るのもしょうがないよ。」
私、最低だ。江藤君との会話に夢中になって、隼人が待っていたなんて気付かなかった。
ホントに自分が嫌になる。
「香織、監督には遅れるって言っとくからちょっと行ってきなよ。ちゃんと謝って仲直りしてきたら?」
「うん。わかった。ありがとう明日香。」
急いでバッシュを脱いで、教室に向かった。