僕は君のものⅡ
「隼人先輩。私、昨日、弘樹に聞いちゃって。香織先輩、弘樹と帰ったんですよね?私、香織先輩と隼人先輩は仲良しで、入る隙間ないから、諦めようと思ったんです。」
その言葉には隼人は答えなかった。
「だけど香織先輩がそんな態度なら、私、頑張ります。隼人先輩が好きなんです。」
中を見てみると、有紗が隼人に抱きついていた。
隼人は、受け入れるわけでもなく、拒否するわけでもなく、ただ、されるがままだった。
「先輩、キスしていいですか?」
そう言うと、有紗の顔が隼人に近づいていた。
私はそんなとこを見たくなくて、ただ走って走って・・・
気がつくと、屋上に居た。
「くっっ...。」
いつの間にか泣いていて、あふれ出す涙を止めることが出来なかった。