僕は君のものⅡ
次の日から、朝錬も昼錬も放課後の練習もより一層、励んだ。
隼人のことを考えなくてもいいように。
毎日、有紗が来るから教室にはいたくなかったし、携帯電話を見るのも嫌で、家においてくるようになった。
「香織、大丈夫?」
明日香には全部話してある。だから心配してか、いつも私と一緒にいてくれた。
「うん。大丈夫だよ。」
「本当に?だって御飯も全然食べないじゃん。それなのにいつもハードな練習ばっかりじゃ体調悪くしちゃうよ。試合もあと10日きったんだから。」
「ありがと。でも食欲わかないんだ。」
はぁ、と明日香はため息をついてみせた。
「隼人君と話してみたら?ぶつかってみないと本当のことは見えないよ。あんなに香織のこと想ってたんだから、そんなに簡単に心は変わったりしないと思うんだけどなぁ。」
「うん。・・・でも今は、バスケのことに集中したいからいいんだ。」
じっと見つめる明日香の目をそらしてつぶやいた。
「なんかさ、人を好きになるもんじゃないね。こんなに苦しい思いするんだったら、好きにならせないで欲しかった。」
「こーら!!まだ終わったわけじゃないでしょ。とりあえず、試合が終わるまでしょうがないとして。試合終わったらちゃんと、話し合うんだよ。」
「話し合うってゆっても、何を話していいのかわかんないもん。」
「とりあえずさ、自分の気持ちを伝えてみることだよ。ちゃんとゆってないんでしょ?前の香織はそんなんじゃなかったじゃん。話はいっぱい聞いてあげるから。頑張れ!」
「ん。ありがと。」
明日香に励まされた私は、少し元気になった。