僕は君のものⅡ
「翔、これだけは約束して。いつでも笑顔で居ること。そして幸せになって。」
「うん、わかった。約束する。香織との約束守らないと、また桐谷に怒られちゃう。」
穏やかな顔で言った。
「え?どういうこと?」
「この間、俺が門のとこにいるの知ってた。香織が泣きながら走っていくの見てたらしい。」
「え?」
「怒られてたよ。こんなとこで無神経すぎるって。香織の気持ち考えてますかって。」
まさかそんなことがあったとは。
「それに宣言されたよ。絶対に自分に振り向かせるって。」
「・・・・っっ。」
「俺が言うことじゃないんだけどさ、桐谷はホントいい奴だよ。香織は気付いてると思うけどさ。」
ちょうどそのとき風が強く吹き、桜の花びらが綺麗に舞った。
「じゃあそろそろ行くな。お互い幸せになろう。」
「うんっ・・・私っっ、翔の事、本当に好きだった。今も大好きです。でも頑張って前向くから。」
私は涙をこらえながら必死に笑顔を作った。
「ありがとう。・・・またな。」
そう言って去っていく翔の姿を見送った。「またな」って言ってくれたことが、すごく嬉しかった。
さよなら。
そうつぶやいて、桐谷クンのもとへ急いだ。