二人のおうち
「満足、満足」
「またたくさん買ったなあ、お前」
コンビニからの帰り道、洋太の隣りには両手いっぱいにお菓子を抱えた沙帆が歩いている。
一気に食べると太るぞと洋太が言うと、
「大丈夫!お菓子袋作るの」
「お菓子袋?」
お菓子袋、と沙帆が言った。
どうやら沙帆の言うお菓子袋とは、小さな袋に分けられて売られているいくつかのお菓子を、ビニール袋に入れて保管するものらしい。
この袋にはチョコレートと煎餅を。
その袋にはスナック菓子とグミを。
そう言ったような感じだ。
それを沙帆は一日一袋ずつ食べると言うのだ。
洋太は嬉しそうにする沙帆を見て、子供らしいなと思った。
「あんなカラダしてるくせに」
「え?何が?」
「なんでもないよ」
ああ、不思議だな、洋太がそんなことを考えているうちに、気が付けばマンションに到着していた。