二人のおうち
 

コンビニから帰ったあと、沙帆はいそいそと嬉しそうにお菓子袋を作っていた。
 

 
「うんんー……」
 

 
沙帆は先ほどからずっと唸っている。
どうやらお菓子の組み合わせを何度も変えているあたり、いろいろと好みがあるようだ。
そんな沙帆が可愛らしく思えて気付けば洋太は笑っていた。
 

 
「んー……よし」
 

「ついに決まったのか」
 

「うん!ついに!」
 

 
にこりと笑う沙帆にどきりとした。
可愛い。
その気持ちが強い。
 

洋太はそんな想いを頭から振り払うように沙帆の隣りへと腰掛けた。
沙帆はいろいろと組み合わせたお菓子を小さなビニール袋に詰め始めた。
 

やれやれ、ご苦労なことだなと思いながら洋太は、沙帆のお菓子を詰めたビニール袋の口をゆるく結んでいった。
その洋太の行為に小さな声でありがとうと呟くと、沙帆はふふ、とまた笑った。
 

 
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