二人のおうち
駄目だ。
恥ずかしくて、どうしよう……。
沙帆は洋太の強引な行為に頭がついて行かなかった。
とにかくタオルケットを握り締め、このドキドキに耐えていた。
「沙帆」
「っ……」
耳に洋太の息がかかる。
沙帆の肩がぴくりと跳ねた。
熱い、沙帆は思った。
耳や首にかかる洋太の息が熱い。
「沙帆、寝たの?」
答えることもままならない。
沙帆は目をぎゅうと瞑っていた。
「仕方がないな」
ぽつりと洋太の呟いた声を最後に、洋太からは背中越しに寝息が聞こえ始めた。
「っ、はあ……」
ここで沙帆はようやく呼吸ができるという気持ちだった。
沙帆にとって洋太は心臓に悪い。今も首にかかる洋太の寝息すら熱い。
おかしくなっちゃうよ……!
洋太の寝息に安心した沙帆も間もなく寝息を立て始めた。