二人のおうち
 

「洋ちゃん、トーストで良い?」
 

「おう」
 

 
沙帆が用意した朝食をとり、その後すぐに着替えた洋太は沙帆の準備に20分ほど待たされた。
 

 
「沙帆、まだー?」
 

「あと5分っ!」
 

 
何度目のあと5分だろうか。
洋太は玄関で靴を履き、沙帆を待った。
 

 
「ごめんね、洋ちゃんっ」
 

「遅い、って」
 

 
ふわりとバルーンスカートを揺らしながらパンプスを履く沙帆は、うっすらと化粧をしていた。
 

 
「化けたな……」
 

「失礼ねーっ!」
 

 
沙帆はむっとなり、洋太の腕をぺちんと間抜けに叩いた。
 

洋太はドキドキと胸を高鳴らせていた。
 

沙帆は可愛い。
普通の子なんだけど、可愛いんだな。
白い肌にバルーンスカートが良く似合う。
 

そうして二人は、買い物というデートに出かけたのだった。
 

 
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