二人のおうち
「ようーし、何から買おうかな」
「こら、待て待て」
たくさんの家具が並ぶ店内で、一人暮らしを夢見ていた沙帆は興奮していた。
そうして先走りする沙帆を洋太が止める。
「なに?洋ちゃん」
「まずは頭を使います」
「え?」
「まずは部屋のどこに何を置くか決めてからだろう?」
「ああそうか……」
沙帆は納得したように歩く足を止めた。
「あっでもどうしよう洋ちゃん!カーテン買わないといけないのに窓の長さ測ってないよ」
「ああそれは大丈夫。下見に来たときに測っておいたからさ」
「そうなの?さすがだね」
安心したように沙帆は微笑んだ。
そうして、まずはカーテンを買いに行くことになった。