二人のおうち
 

「ようーし、何から買おうかな」
 

「こら、待て待て」
 

 
たくさんの家具が並ぶ店内で、一人暮らしを夢見ていた沙帆は興奮していた。
そうして先走りする沙帆を洋太が止める。
 

 
「なに?洋ちゃん」
 

「まずは頭を使います」
 

「え?」
 

「まずは部屋のどこに何を置くか決めてからだろう?」
 

「ああそうか……」
 

 
沙帆は納得したように歩く足を止めた。
 

 
「あっでもどうしよう洋ちゃん!カーテン買わないといけないのに窓の長さ測ってないよ」
 

「ああそれは大丈夫。下見に来たときに測っておいたからさ」
 

「そうなの?さすがだね」
 

 
安心したように沙帆は微笑んだ。
そうして、まずはカーテンを買いに行くことになった。
 

 
< 33 / 53 >

この作品をシェア

pagetop