不朽花
プロローグ




人間は花のようなものだと思う。

どんどん成長して綺麗になっても、いつかは散ってしまう。

だから、

どんなに綺麗な花を咲かそうと努力したところで、いつかは散ってしまうのだから意味がないと思っていた。

でも、

あなたに出逢ってからはその考え方が違うことに気付いた。


いつか散ってしまうのなら、

周りの花よりも綺麗に咲き、

歴代の花よりも強く生き、

そして、

悔いなく散ろう。


あなたはそう言っていたね。


私の人生を変えたのはあなただった。

それまでの私は、

生きている事に意味なんかないと思っていた。

でもあなたはそんな私に、

生きる希望と生きている意味を教えてくれたんだよ。


あなたは、

花が散っても決して朽ち果てない、

不朽花のような人だったね。


どんな農薬にも、害虫にも負けない。

周りに雑草がはえていても大きく成長する。

どんな強風が吹いても倒れない。

日照り続きでも絶対に枯れない。


そんな人だった。


だから私はあなたに、

惹かれていったんだね。


自分とは正反対の生き方をしようとする、

あなたに…。


だからあなたにはずっと見ていて欲しい。

私はあなたの想いを胸に、

今を一生懸命生きているよと……。





< 1 / 41 >

この作品をシェア

pagetop