不朽花
「ちょっと春樹……!なにす……」
「ありがとう……!」
「え……?」
「俺、忘れられてるかと思ってた。まだ好きでも、むこうが忘れてるなら諦めるしかないと思った。でも諦めきれなかった。お前のことを好きになった理由はどことなくその女の子と似てたからっていうのも事実なんだ。……ごめんな。でも、やっぱり俺の勘は合ってたんだな。本当に同一人物だとは思わなかった。さっき運命って言ったけど、やっぱり運命だったんだな。そうとしか思えねぇよ……!」
「……私もそう思うよ。私の初めての親友が初恋の相手だったなんて……。……私のことを、覚えていてくれてありがとう……!」
「忘れるわけねぇだろ」
「そっかぁ……。そうだよね!私、春樹のことを忘れた日はただの一度もなかったよ!」
「……俺もだよ。……改めて言う。俺の彼女になって下さい。今度は本当に本気だ」
「……はい……!こちらこそよろしくお願いします!」
「んじゃあ同棲するか」
「……は?」
「だって付き合うんだから別にいいだろ。二人とも一人暮らしだし。家賃も安くなるし♪」
「ちょ……!ちょいちょいちょい!待って待って待って!い、いきなりおかしくない!?付き合って早々同棲なんて!それに昔会ってたとはいえ、一応今日初対面だよ!?そんな……」
「……咲良は俺が嫌いか?」
「いや、嫌いじゃないけど……ていうか好きだけど!!その……心の準備というものが……」
「なら問題ないな♪よし、どっちん家住む?」
「だから……!」
「問題……ないよな……?」
「ぐっ……!」

な、なにこの威圧感!

それに……やっぱり俺様だったか……。

いや、俺様というよりドSだな……。

うん。間違いない。

「い、異議なしッス……」
「うん。よろしい♪つか授業大丈夫か?初日からLHRすら出ねぇってヤバくね……?」
「え……?今何時?」

そんなに時間経ってたっけ……?

キーンコーンカーンコーン

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