不朽花
「ちょっ、ちょっと春樹!これLHR開始のチャイムじゃない!?ヤバいよ!」
「咲良……落ち着けよ……。これは下校時間を知らせるチャイムだ」
「え……?どういうこと……?」
「つまり……皆もう帰り始めてる♪」
「は!?じゃ、じゃあ……」
「そ。俺達サボっちゃったってこと」
「嘘……」
「ホントだって~」
「はいはい。じゃあまずチャラ男の仮面はおこっか~」
「そんなにショック受けんなよ。しょうがなくね?このままバックレようぜ」
「バックレてどこ行くの?」
「ん?そうだな……。初デートでも行くか?」
「行きたい行きたい!」
「急に元気になったな……お前……」
「だって初デートって遊園地でしょ?私行ったことないんだ~。春樹は?行ったことある?」
「ねぇよ。つか遊園地って決定かよ……。ま、いいや。じゃあこれから行くか」
「うん!」
「プッ……!ガキみてぇだな」
「わ、悪かったわねガキで!だって……久しぶりなんだもん。本音で……人と話すの……」
「……俺と腐るくらい話せばいいさ」
「うん。そうだね」
「よし、行こうぜ」
「ま、待って……!」
「はぁ~~~!?行きたくねぇのかよ」
「違くって……。その、明日行きたいなって……」
「別にいいけど……。他にどっか行きたいとこあんの?」
「……デパート」
「いいけど、なんでデパート?はっきり言って遊園地のが楽しいと思うぜ」
「そ、その……ど、同棲に必要なものをと……。あと引っ越しもしないといけないし……。遊園地なら明日でも行けるかなって……」

恥ずかしい……!

さっきは嫌がってたくせに自分から言うとか……。

……春樹、引いたかな……?

< 12 / 41 >

この作品をシェア

pagetop