不朽花
「ハァ……ハァ……やっと着いた」
「長かったな。ここまでの道のり」
「誰のせいでしょうか」
「お前が……(以下略)」
「でもホントなんにもないね。なんかもう無いもの書くよりある物かいてなにが必要か考えたほうが早い気がする」
「じゃあそうしようぜ。今……15時か」
「入学式の日でよかったね。あんなにいろいろいてたのにまだ15時だよ」
「なあ、デパートで飯食わねぇ?腹減った」
「そういえばお昼食べてなかったね。いいよ。ひとまず荷物置いてデパート行こっか」
「ああ。行くぞ」
「うん」
なに食べよっかなぁ……。
春樹は何が好きなんだろう……。
結構、甘党だったはずなんだよね……。
「おい。これかぶっとけ」
「え?うわっ!」
ヘ……
ヘルメット……?
「バスで行くんじゃないの!?」
「はぁ?誰もそんなこと言ってねぇだろ。さっさと乗れ」
「……」
「どうしたんだよ」
「私……バイク乗るの初めてで……」
「お、また初めてだな」
「え……?」
「ちょうどいんじゃね?お前の初めては全部俺が貰うんだろ」
「プッ……!そうだね!」
「わかったらさっさと乗れ」
「うん!」
「ちゃんと掴まってろよ」
「うん。こう?」
「……お前人の話聞いてたか?そんなシャツの端っこ掴んでなにがこう?だよ。ちゃんと掴まるっつったらこうだろ」
「うわっ……!」
ちょっとちょっとちょっと!
こんな……
こんなことって……
お腹……
ムキムキってわけじゃないけど……
しっかりしてる。
って!
違うから!