不朽花

―ピーンポーン

「ん~~」

―ピーンポーン

「ん~?」

誰だろこんな朝早く……。

……朝早く?

今何時!?

「7時半ん~~!?」

ヤッバ!

30分も待たせてんじゃん!

「ちょっと春樹!起きて!」
「ん~?……はよ」
「はよ、じゃない!」
「なんか……いいな。新婚ごっこみたいで」
「そんなこと言ってる場合じゃないの!配達する人30分も待たせてる!」
「マジで!?」
「マジだよ~」
「やべえじゃん!さっさと着替えようぜ」
「うん。動きやすい格好じゃないと……ちょっと!いきなり脱ぎ始めないでよ!」
「んなことよりトイレの横の部屋使っていいから早く着替えてこい」
「わ、わかった……」

んなことって……!

私にとっては、んなことじゃな~い!

「着替えたよ」
「おう。早くでねぇと……」
「お待たせしてすみませんでした!」
「いえいえ。自分達も遅れてましたからお互い様ですよ。じゃあ失礼してどんどん運んじゃいますね」
「え?運んでくれるんですか?」
「ええ。お二人じゃあ大変でしょう。こっちは若いスタッフが6人くらいいるんで。あ、迷惑でしたら玄関に置いときますよ」
「いえ!お願いします」
「はい。わかりました。では置く場所を指示していただければどんどんそこに置いてきますんで」
「はい。春樹~」
「ん?」
「荷物運んでくれるから置く場所指示してくれって」
「ああ、わかった。じゃあ洗濯機はここ置いてもらっていいですか?」
「はい。わかりました。お~い。運べ」
「うぃ~す!」

それにしても……

こんなにサービスいいもんなんだ……。


< 32 / 41 >

この作品をシェア

pagetop