不朽花
「ねぇ、春樹。こんなにサービスいいもんなの?」
「……普通は宅配だけなんだけどな。もしかしたらあとで金請求されるかもな」
「嘘!?……でもお金払って荷物運んでくれるんだったら安上がりかもね。二人だけじゃあ結構時間かかっただろうし。遊園地行く時間無くなっちゃうよ」
「そうだな。……じゃあ俺も運ぶの手伝ってくるわ。見てるだけってなんか性に合わねぇし。俺もやったほうが早いだろ」
「じゃあ私も……!」
「バーカ。お前に重い物なんて持たせられるか。それにお前まで手伝ったら指示する奴がいなくなんだろ。いいからお前は指示してろ」
「……うん。わかった……」
「んじゃちょっと行ってくるわ」
「うん。いってらっしゃい」
「行ってきます」
「怪我……!気をつけてね!」
「はいはい」

……こういう時、女ってやだなぁ……。

まぁそうこうして無事に終了したわけで……。

「じゃあ我々はこれで失礼します」
「え?でも運んでもらったんですし、料金は?」
「あ、いえいえ。サービスですよ。こんなにご購入していただいたんですし、貴方が美しかったので」
「そんな……!」
「では会社のほうに戻らないといけませんので失礼します」
「あ、はい。どうもありがとうございました」
「いえいえ。これからもご利用よろしくお願いいたします」
「はい。ぜひ」
「では……」


―バタン
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