不朽花
「やっぱりスプリンクラマウンテンだよね」
「早く乗ろうぜ」
「うん♪」
「待ち時間10分って……短くね!?すいてると思ってたけどここまで空いてんのかよ」
「ラッキーだよね~♪人が来ないうちに乗っちゃお♪」
「ああ」

「何名様ですか?」
「二人で」
「はい。こちらへどうぞ~。いってらっしゃ~い!」
「ふふっ。いってらっしゃいだって」
「まあ夢の里だからな」
「夢の里って?」
「あ?知らなかったのかよ。ネズミーって夢の里っていうんだってよ」
「ふ~ん。なんかそんな感じがするかも……」
「おい。そんなこと言ってていいのか?」
「え?なんで?」
「なんでってもうすぐ落ち……ぬぉっ!」
「アハハハハ!なにぬぉっ!って。キャー!楽しい~!」
「た、たしかに楽しいけどよ……。ここまでスピード速いもんか?」
「う~ん……。楽しけりゃなんでもOK♪」
「そりゃそうだな」

「おっかえりなっさ~い!」
「なんか、本当に里って感じがするよね」
「ん?ああ。懐かしく感じる」
「うん。男の子と遊園地なんて来たことないし……」
「俺も逆ナンしてきた奴ら達がむっちゃしつこく誘ってきたけど実際に女と来たのは初めてだし」
「ぎゃ、逆ナン!?そんなにモテたの!?」
「ん?おう、まあな。芸能人に告られたこともあるし……」
「……」
「何?もしかして妬いた?」
「………だっ……たら……?」
「……」
「?春……」

―ちゅ

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