不朽花
「!!ん~っ!……プハッ!なにをした!」
「は?キスに決まってんだろ」
「キッ……!なんでそんなこと……!」
「お前が変なことを言ったからだ」
「変なことなんか言ってない!私は事実を言っただけだ!お前達は勝手に好きだとか言いながら勝手に嫌いになっていく。心変わりが激しい、恥ずべき人間だ!」
「違うね。少なくとも俺は」
「なにが違う!周りとは違うと言って、自分だけ正当化する奴を今まで何人も見てきた!でも結局は一緒だ!」
「俺が違うって言いたいのは、外見だけでとか表の仮面だけでってところだ。表しか見ないっていうのは、お前が本当のお前見せないからだ」
「嫌だ……!」
「俺は確かに『一目惚れ』だと言った。でも素のお前を見て、守ってやりたいと思った。付き合ってくれと言ったのはお前のことを好きだと思うこの気持ちが本物かどうか確かめるためだ。だから……」
「嫌!!聞きたくない!」
「っ……!聞けよ!」

なんで私は今泣いているんだよ。

なんで今まで何度も告白されたのにこいつの言葉にだけ気持ちが揺らぐんだよ。

なんで……

私は今、こいつの腕の中にいるんだよ……。

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