不朽花
「グスッ……!もう……嫌だ……!お前なんか……大嫌いだ……!」
「俺は、好きなものは好きって言うし、嫌いなものは嫌いって言う。お前が思っているようなことは絶対しない。知ったかぶりをしてる気もないし、しようとも思わない。お前が言った通り、こんな少しの時間で全てがわかったとも思わない。でも、これだけはわかる。……辛かったんだな」
「う……っ!ヒック……。ぐすっ……」
「もう、我慢しなくていいから。俺には嘘をつかなくていい。どんなお前でも、俺は好きになる。きっと……運命だ!」



君は、笑ってそう言ったね。

泣いてる私を優しく包み込んでくれた。

その腕はとても温かかったよ。

だから私は、君にならなんでも打ち明けていいと思ったんだ。

この時は思う余地もなかった。

君と私の出逢いは偶然じゃなかった、『運命』だって。

だから君になら、私の全てを捧げてもいいと思った。

初恋も、

ファーストキスも、

初めての夜も。

そんなことを思っていたと言ったら君は笑うかな。

でも、本当なんだ。

君の隣にいる以外に私の存在価値はなかった。

それぐらい大切な存在だったんだよ。



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