〜色物語〜世界に散らばる゙色々"な゙物語"
――――
何?この沈黙
そ、そりゃ私はメロウだけど
黙ることはないよ、ね?
『……あ、あのぉ』
沈黙を破ったのは
私だった
私が喋りかけると
目の前の人間は
『なに?』
って、不機嫌に応えた
『あ、あのぉ私が人間じゃないってこと
わかりますよね?』
『……あぁ、メロウだろぅ?』
『あぁ!!やっぱりバレてるんだぁあ!!』
私は『あぁ!!』と頭を抱えていた
『普通にわかるだろ。こんな時間に
海にいる人間がいるかよ』
私はムッとしながら
言い返してあげた
『も、ものずきな人間だったら
夜にでも泳いでるわよ!!』
私は言い終わると フンッ
と首を振った
『……そぅだな。ものずきな人間
だったら夜にでも泳いでるかもな』
えっ!?認めた?勝った!?
べつに勝負してないけど……
『でも……』
でも?
私は気になって首を
前に戻した
『でも、人間でそんな綺麗な
深い青い瞳をもった人間はいないよ』
『……え』
私はビックリした
だって……初めてこの瞳を誉められたから
メロウは大抵
薄く透き通った青い瞳を持つ
けれど私は
深い深い海の底のような
濃く濁った瞳をしてる
と周りに言われていたから