神の使者
「達也…何で死んじゃったの!?」
「え?」
そのまま美樹は声を上げ泣き出した。
こんなに泣いてる美樹を見た事が無くて内心動揺したが、俺が死んだってどういう事?俺は美樹の目の前にいるじゃないか。なのに勝手に殺すなよ。
達也が美樹に触れようと手を伸ばした時、ベッドのほうから母親の叫び声に近い悲鳴が聞こえた。
「達也ー!達也ー!」
何度も息子の名前を呼ぶ声。
達也は急に不安に襲われ怖くなったが、ゆっくりと近付きカーテンの隙間からベッドを見る。
「嘘だろ…」
ベッドの側には母親と知佳の姿があり、そしてベッドの上には自分の遺体があった。
全く微動だにせず、身体中傷だらけの自分の姿。
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