神の使者
「おはよう!」
「おはよう、お兄ちゃん」
知佳は父親似で端正な顔立ちで大人っぽい。おまけに身長も達也と同じぐらいだからたまに知佳のが年上に見られる。知佳はそれが嫌らしいが、弟に間違えられる俺の身にもなってくれ。
達也は知佳の隣に座ると、目玉焼きを焼いている母さんを見た。
母さんは童顔で身長も低く、パッと見子供に見える。父さんはこういうタイプが好きなのかな。
その父さんはご飯に手を付けず新聞を読んでいる。
「母さん、何で起こしてくれなかったんだよ」
母さんは焼けた目玉焼きを俺の前に置きながら答えた。目玉焼きは俺の好きな半熟。
「ちゃんと起こしたわよ。でも達也があと五分とか言って起きなかったんでしょ」
「達也は朝に弱いからなー」
いきなり入って来る父さん。新聞読んでたから聞いてないと思ってた。
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