神の使者
一人前の神の使者にならないと移動出来ないらしい。しかし、俺ってもしかして凄い仕事に就いた?
「今日はあいつだ」
感心していると零の落ち着いた声。見ると、風の吹く野原の中に一人の男が座っていた。
後ろ姿しか見えないが、男は金髪の髪を風になびかせ、何をする訳でもなくただ座っていた。
達也は男に近付く零に付いて行きながら聞いた。
「あいつは何で死んだの?」
「深夜に友人とバイクで走っている時に信号無視し、乗用車と激突し即死」
興味なさそうに答える零。
零はあまり死者に対して感情を抱かないようだ。俺は男の死亡原因を聞いて、可哀想だと思ったのに。
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