神の使者


あの親子を見て急に家族に会いたくなった達也は零に断って家に帰ってみた。
俺の部屋はそのままで何も変わってなかった。部屋の整理もされておらず、居心地の良い部屋のままだった。
家族は夕飯時で、みんなダイニングに集まって夕飯を食べていた。今日の晩御飯は俺の大好きなオムライス。
どことなく父さんと知佳の表情は暗いが、母さんは楽しそうに最後のオムライスを作り食卓に置いた。その席は俺の席。
それを見た父さんは軽くため息を吐いて言いにくそうに言葉を吐き出す。
「母さん…達也の分はいらないんじゃないのか?」
母さんは俺が死んでからも俺の分の食事を用意してるようだ。
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