神の使者
「返事はいつでもいい。もちろん達也の事を忘れろなんて絶対言わない。あんなに最高にいい奴忘れてほしくないし」
「……」
「ごめんな。突然こんな事言って」
その言葉に美樹は無言のまま首を振る。
「じゃあ、俺帰るよ」
翔梧は帰って行き、美樹は少しの間その場に立ち尽くし、やがて自分の部屋に入って行った。
部屋に入ると美樹はそのままベッドに倒れ込み、そして机の上に置いた写真を見る。
そこには俺と美樹とのツーショット写真。
「達也…」
それだけを呟き、美樹は枕に顔を伏せ泣き出した。
翔梧に告白され、俺との思い出が蘇って、どうしていいのか分からないんだろう。
俺もどうしたらいいか分からない。もうどうする事も出来ないし、俺は美樹に何もしてやれない。
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