神の使者
「今日からお前一人で行ってもらう」
「ええ!?」
達也が大げさに声を上げると、零は迷惑そうに顔をしかめた。
「いつまでも俺が付いてちゃ、お前も一人前になれないだろ」
「だからって…」
まだこの仕事始めて一週間だぞ?
そりゃ仕事のやり方は零を見ていたから分かるけど、いくらなんでも早すぎないか?
焦る達也とは違い、零はあくまでも冷静にポケットから一本のナイフを取り出した。
「これをお前に渡しておく」
「ナイフ?」
「いいか、くれぐれも悪魔に気を付けろ」
「悪魔…」
いつもより真剣な零に達也は多少緊張しながら零の言葉を待った。
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