神の使者
すると祐介はまた寒気のする不気味な笑顔を浮かべた。
「美樹って人だね」
そう言うと祐介はスーっと目の前から消えてしまった。
「祐介!」
達也が掴もうとするも祐介は消えてしまいいなくなった。
まさか達也が頭に浮かべた美樹が分かったのか?でも、一体どこへ?
「その女を殺しに行ったんだ」
「なっ…!?」
死神の言葉に達也は言葉を失った。
美樹を殺すだと?そんな事させるか!
達也が駆け出そうとしたが、死神の鎌が行く手を塞ぐ。
振り返ると、口元しか見えない死神が笑っている。
「あいつを追いかけるか?そんな事させる訳ないだろ。お前も地獄に送ってやるよ」
「く…!」
こんな奴に構ってる暇はない。早く祐介を追いかけないと美樹が俺のせいで殺される。
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