神の使者
達也が振り返ろうとすると、突然頭を思いっきり押さえつけられた。
「だっ!?」
「たく…お前はホントに学習能力が無いな」
聞き慣れた声にタバコの匂い。
「零!」
零の手をどけ達也は零を見上げた。
「あれほど死神と戦うなと何度言えば分かるんだ」
「分かってる!けど…!」
祐介が美樹を殺しに行った事を伝えようとしたが、零は達也の横を通り過ぎ死神と対峙する。
「あのガキを追いかけろ」
「え?」
「お前に逃げろと言っても無駄だろう…。だったら、自分の守らなければならないものは自分で守れ。後悔しない為に」
「零…」
俺には無関心だと思っていたのに、零は俺の事ちゃんと見ていて俺の性格を分かってくれている。
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