神の使者

だが、それが逆効果となり子供は道の真ん中で立ち止まってしまった。
「危ない！」
気付けば達也は道路に飛び出し子供を思いっきり突き飛ばした。
そして、達也がトラックに撥ね飛ばされる。
一瞬感じた強い衝撃と奇妙な浮遊感。そして地面に叩きつけられる激しい痛み。
「きゃああああ！」
「救急車！早く救急車呼べ！」
トラックの急ブレーキと人々の悲鳴や叫び声を聞きながら達也は激しい痛みを感じていた。
(痛い…まじヤバい…痛い…)
自分が今どこを向いているのかも分からず、全身を痛みの電気が走っている。
遠くのほうから救急車のサイレンが聞こえて来るが、もう息をするのも辛くなって来た。
冬でもないのに寒くなって来て、意識が薄れて行く。
明日学校で会おうと美樹と約束したのに…。帰って母さんの説教聞かないといけないのに…。
(ヤバいんじゃないの…俺…)
そして達也の意識はブツっと切れた。