神の使者
「美樹、俺寂しいよ。俺は美樹とずっと一緒に居たい」
その言葉に美樹は体を乗り出す。
「私も寂しいよ!私も達也の傍に居たい!でも、達也は死んじゃった…」
翔梧君と付き合うつもりはないけど、達也とはもう並んで歩く事も出来ない。
こうして会えて嬉しいし、ずっとこうして向き合っていたいけど、達也は遠い所へ行ってしまった。
涙が止まらない美樹に、達也が優しい声をかけて来る。
「大丈夫。こっちへおいで、美樹。そしたらずっと一緒にいられる」
「達也…」
もしかしたら達也は死んでおらず、少しの間どこか遠い所に行ってただけかもしれない。だって達也の声も聞こえるし、こうして目の前に存在している。
全ては悪い夢だったんだ。
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