神の使者
零にお願いしてやって来たのは達也の自宅。達也の最後の願いは家族に会う事。
突然現れた達也にみんな目を丸くしてたけど、やがて母さんが達也の体にしがみ付き信じられないといった顔で見上げて来る。
「達也…本当に達也なの!?」
「そうだよ」
達也が頷くと、母さんは泣きながら父さんと知佳を見る。
「ほら、やっぱり達也は生きてた!死んでなかったのよ!」
達也は興奮している母さんをゆっくりと離し、真剣な顔で母さんを見つめる。
こんな事するべきじゃないと思ったけど、俺のせいで家族がバラバラになるのは嫌だ。
「母さん、俺は死んだんだ」
「達也…」
揺れる母さんの目を見ていられない。でも、俺がここに来た理由は願いを叶える為だ。
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