神の使者
家を出て達也がスッキリした気持ちで空を見上げると、待っていてくれた零が声をかけて来る。
「スッキリした顔をしているな」
「ああ」
もうこの世に未練はない。俺の大切な人達はもう大丈夫だ。
「じゃあ行くぞ」
歩き出した零の後を付いて行きながら達也は気になっていた事を聞いた。
「なあ、何で零は死んだんだ?」
「お前に関係ないだろ」
「いいじゃん。教えてくれよ」
「……」
零は面倒くさそうに達也を見つめ、タバコに火を付ける。
そして、ゆっくりと話してくれた。
零の過去を。
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